南京感想文 Nanjing scribble

突然始まった南京の暮らしを気の向くままに紹介します。

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

PageTop

『Feast of Love』

『Feast of Love』 (2007年/監督Robert Benton)

There is a story about the Greek gods.
They were bored, so they invented human beings,
but they were still bored, so they invented love.
Then they weren't bored any longer,
so they decided to try love for themselves.
And finally they invented laughter,
so they could stand it.
 
 Morgan FreemanとGreg Kinnearが出ているので観ただけで、あまり期待していなかったのだが、拾い物だった。いい映画を観たと思った。登場人物たちは皆それぞれにひたむきに人を愛し、自分に忠実だ。不倫や離別もあり、傷ついて苦しむ姿が痛ましいが、それでも映画の中では新しい出会いがあり、変化があり、それぞれにふさわしい人生を静かに手に入れていく。映画は娯楽で、多くは作り話にすぎないが、疲れた人間につかの間の夢をみさせてくれ、心を軽くしてくれる。この作品には何気ないが心にしみる台詞がいくつもでてくる。以下は映画を観た時の私がしみじみ共感した言葉の一つ。
 
How do I make a change?
I can't go through this again.
Harry, I swear to God, I'll lose my mind.
 
Oh, shit Bradley, listen.
You just gotta stay alert.
Everything we need to know is going on right in front of our eyes.
Yeah, we have our illusions about people, our hopes, and they can blind us.
But the end is always right there in the beginning.
 

スポンサーサイト

PageTop

地震

 昨日地震があった。南京ではビルの上部にいた人たちが揺れを感じて大騒ぎになったらしいと聞いたが、私は路上で歩行中だったからか全く何も感じなかった。北京や上海、重慶なども揺れたと聞いたが、四川省の被害がもっとも大きいらしい。犠牲者が多く出て政府が救援を急いでいるという。私には特に気になるニュースである。
 というのも、実は先週、私は四川省のその辺りにいた。5月の連休を利用して成都へ飛び、大姑娘山(5025m)を登ってきた。そこはアバ族のエリアであり、中国人登山者もいるが、まだまだマスツーリズムに侵食されていない美しい場所である。日本の登山隊が1980年代に4峰を登頂したことが縁となって、日本人が訪れるようになったと聞いた。久しぶりの雪山を堪能し、美しい牧草地を歩き、ほころびかけた山の花に目を楽しませた休日となった。自然の中に入るとなぜか心が元気になる。山小屋の炉辺に座って炎を眺めているだけで幸せな気分になれる。簡素な食事も美味しく感じる。不思議なことだ。
 さて、このことを知ったあるアメリカ人から「あなたはラッキーだ」と言われた。地震に遭わなかったのでラッキーといえるかもしれないが、ことはそのほかのことにも及び「あなたは自分がラッキーな人間であることを知らない」、「ラッキーなのにネガティブにしか物事を見ない」とまで言われた。だがそう言う当人は私からみれば超ラッキーな人間で、恵まれた環境に育ち、全て欲しい物はラクに手に入れ、好きな仕事で高給を稼ぎ、虫歯一つない健康な身体で遊び放題、物質的にも時間的にも実に豊かで自由度の高い人生を送っている。「あなたがポジティブと言うのは簡単だよね」と言いかけて、やめた。地球上の50%の人間が飢えている現状を考えれば私は確かにラッキーだ。ただ、例えば私は多くの日本人が持っているもの――家、車、ケイタイ、Ipod、夫、子ども、保険などなど――を一切持たず、この身ひとつでサバイバルしていることも確かで、相対的にラッキーといえるかどうかは疑問である。
 世の中は実に不公平で、ラッキーな人もラッキーじゃない人もいる。自分でラッキーを作るとかなんとかいう人もいて、それをポジティブな姿勢だと賞賛する人もいるけど、世界にはそんなラッキー論をぶっとばすような悲惨な状況に生きている人も沢山いる。ラッキーか否かなんて話すのは意味がないと思う。それよりなにより全ての人が等しくラッキーだったらいいのになあ。え?それじゃラッキーとは言えない?

PageTop

格差

 新聞によれば南京の労働者の平均月給は約5000元だと言う。同僚の一人は信じられないとこぼす。彼の給料は月3000元。彼は40歳前半だろうか、助教授である。彼の娘の通う中学校の学費は年9000元。給料の3か月分に当たる。これだけで生活していくのは厳しい。だから多くの先生は副収入を得ることに忙しくなる。彼の教え子の一人は2年前にP&Gに就職したが、今では月3万元、彼の10倍の給料をもらっている。彼の知人の実業家はボーナスの税金だけで10万元払っており、会社の株だけでも軽く5000万元の収入を得ているはずだという。一方で、私の宿舎の服務員は田舎から出てきたばかりの若い女の子が多いが、彼女たちの月収は750元。寝床はあてがわれるにしても、これで南京という都会で生きていくのは難しい。ちなみに私は部屋の電気代だけでも月100元前後支払っている。南京の物価は高く、しかも刻々と物の値段が上がっているので私でさえついていけない。先日、或る会議で勤続20年の先生が「もうやめる。生活できない。」と怒り出したことがあった。彼女は学生からの評判もよい、親切で温和な人物だが、もう我慢できないといった感じであった。特に主任に向って怒っていたのだと聞いたが、ここが難しいところで、主任などの権力ある役付きになると恩恵が多く、収入も格段に違うらしい。副学長クラスなどだと1時間1万元の講義料が出るという。共産主義の中国だが、現実には非常に格差の激しい国である。南京は比較的仕事の得られる都市なので人口の流入が激しいのだが、その南京の中でさえこの給料差。これが中国全土、内陸部まで含めたら、気が遠くなるほどの差があるに違いない。
 *参考 本日のレート 100.00 CNY = 1,466.53 JPY (私のように大雑把な人間は1元15円で計算すべし)

PageTop

『NANKING』

『NANKING』(2007監督Bill Guttentag/Dan Sturman)

 1937年の南京大虐殺を描いた映画。ウッディ・ハレルソンらの俳優たちが当時のsafety zoneの委員らに扮して何が起きたかを語っているので、完全なドキュメンタリーとは言い難いが、実際の写真や映像が使われており、当時を経験した人物が語る場面もあり、ドキュメンタリーのようでもある。昨年、この映画のほかにもいくつか南京大虐殺やジョン・ラーベなどを扱った映画が作られたと聞くが、今のところここ南京で簡単にDVDで見られるのはこの作品だけのようだ。犠牲者の数や写真の真偽などで論議が続き、南京大虐殺そのものまで否定する動きもあり、当の日本では今でもこうした映画を作ることが難しいのだろう。何か情けない気持ちになる。

PageTop

『モーターサイクル・ダイアリーズ/The Motorcycle Diaries』

『モーターサイクル・ダイアリーズ/The Motorcycle Diaries』 (2004年/監督 Walter Salles)

 わからない。
 この長い旅の間に何かが変わった。
 その答えを見つけたいんだ。

 1956年のブエノスアイレス。医学生エルネスト/Ernestoは調子のいい年上の友人アルベルト/Albertoとポデローサ号(オートバイ)で南米大陸の旅に出る。放浪願望が刺激されるような風景が次々に映し出されてゆく。各地でさまざまな出会いを体験し、内面に変化を起こしてゆく青年。予備知識なしに観た作品だったので、彼が 若き日のチェ・ゲバラ ('Che' Guevara)だったとは最後に知った。

 アタカマ砂漠で土地を追われた夫婦と出会う。その会話は印象的だ。

夫      「…仕方なく息子を預けて旅に出た。警察から逃げながら職を求めての放浪生活さ。」
アルベルト 「警察?」
妻      「共産主義者だから」
夫      「銅山へ行く。運がよければ仕事がある。危険な仕事だが思想は問われない。」
妻      「あなたも仕事を探しているの?」
エルネスト 「いいえ、違います。」
妻      「違う? じゃあ、なぜ旅を?」
エルネスト 「旅をするためです。」

 さわやかな後味。忘れかけていたものを思い出させてくれるような映画。旅心がうずうずしてくるのが玉に瑕。いつか私もパタゴニアからカラカスまで旅をしよう。

PageTop
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。