南京感想文 Nanjing scribble

突然始まった南京の暮らしを気の向くままに紹介します。

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『トーク・トゥ・ハー』

 『トーク・トゥ・ハー/Hable con Ella/talk to Her』
   (2002年スペイン/監督 Pedro Almodovar ペドロ・アルモドバル)

 「先生、リディアはいつまであの状態に?」
 「数ヶ月。数年。一生。」
 「治る見込みは?」
 「医学的にはムリです。…しかし15年の昏睡から目覚めた症例が…出産で昏睡状態に陥って、リディアと同じ植物状態に。でもあらゆる見解を覆し、回復したのです。」
 「希望はあるんですね?」 
 「科学的にはムリでも、希望を持つのは自由です。」

 ピナ・バウシュの舞台から映画は始まる。スリップ姿のダンサーが目を閉じたまま動き回る。客席の二人の男、それが看護士ベニグノとライターのマルコ。彼らはここではまだ知り合っていない。4年間、昏睡状態のバレリーナ・アリシアを看護するベニグノ。マルコは女性闘牛士のリディアと恋人関係になるが、リディアが事故で昏睡状態に陥りアリシアと同じ施設に入るところから、二人の人生が交差する。「人生で最も充実した4年間だった。彼女の世話をして、彼女の好きだったことをする。」と目を細めるベニグノ。

 「話すんだ、そのことを。」
 「話しても通じないよ。」
 「なぜそう思うんだ?」
 「彼女の脳は破壊されている。」
 「女の脳は植物状態でも神秘的だ。注意深く見つめ、話しかけ、優しく接し、愛撫してあげること。大切な存在だと伝えてやるんだ。それが癒しさ。経験で学んだ。」

 この映画は俳優たちがすばらしく魅力的だ。若いLeonor Watling(Alicia)はそれなりにきれいだが、Rosario Flores(Lydia)の全く贅肉のない締まった身体にはほれぼれするし、それでいてマルコをみつめる視線の甘いこと。Geraldine Chaplin(Katerina)のしわくちゃの顔はきりっとしていて表情が明快、背筋がぴんとのびていてすがすがしい。Javier Camara(Benigno)の無邪気な子どものような表情、ひたむきさの表現の上手いこと。何度かDario Grandinetti(Marco)が涙を流すシーンが出てくるが、その姿がまたすごくいい。せつなさが滲み出ていてひきつけられる。それから、俳優ではないが、カエターノ・ヴェローゾ/Caetano Velosoの歌には心を揺さぶられる。言葉を失わせる美しさだ。彼の歌を聴くだけでもこの映画を観る価値がある。

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